植物図鑑Library

緑京株式会社Ryokkyo.co.,Ltd

 

トキワシノブ・シノブHumata tyermannii/Davallia mariesii

トキワシノブ シノブ Humata tyermannii Davallia mariesii
※弊社事務所で育成中の個体です。常緑であることからトキワシノブと同定されます。

和名:トキワシノブ/常盤忍

学名:Humata tyermannii

科名:シノブ科

属名:キクシノブ属

原産:中国南部~インド

和名:シノブ/忍

学名:Davallia mariesii

科名:シノブ科

属名:シノブ属

原産:日本/中国

概要

近年、苔玉のブームと共に有名になってきた植物です。
葉はよく見かけるシダ類のそれですが、独特の根が特徴的な種類となります。
常緑性の落葉性の種が存在しており、それぞれトキワシノブ、シノブと一般的に呼称されます。
見た目はほぼ変わりません。
また、トキワシノブは着生植物であり他の植物の樹皮や苔などに付着し自生します。
厄介な地下茎を持たないので、意図せずお庭に蔓延り駆除に苦労するという事もなく扱いやすいです。

育て方

置き場所

日本の環境に適合しており非常に育て易い植物です。 耐陰性も高く室内の置き場所は選びませんが基本的には半日陰を好みます。直射日光を避けた明るい場所に置きましょう。 東側に採光出来る窓があれば良い置き場所になるでしょう。

剪定

日当たりの良い環境では葉がかなり茂るので、適時風通しが良くなる程度に剪定しましょう。生育不良の葉や焼けてしまった葉は優先的に剪定してください。

施肥

基本的には必要ありませんが、生育期に与えると良く育ちます。肥料焼けのリスクがあるので、液肥であれば2000倍以上は薄めて月に二度程与えると良いでしょう。

耐寒性

常緑性のトキワシノブと落葉性のシノブと分類され、常緑のトキワシノブは耐寒性でやや劣る為、戸外で地被として使用する場合は落葉性のシノブの方が越冬について良い結果を得やすいでしょう。
また、こちらの論文によると、シノブについては北緯42度付近が確認されている分布北限の様です。

繁殖方法

シノブは株分けで増やすのが一般的です。カットした根をピートモスで包み灌水しておけば新芽が出てくる事が多いです。 他のシダ植物と同様に胞子での繁殖も可能です。胞子のうというものが葉の裏に出来ます。
そこから細かい胞子が飛び、前葉体という芽の様なものが発芽します。十分な水分があると受精し胞子体が発生し成長します。
初めて見ると病害虫被害に見えたりやや気持ち悪いかもしれませんが、病気ではありませんので安心してください。
胞子の飛散が気になる方は、胞子嚢が付いた葉を剪定してしまっても構いません。

胞子嚢 胞子のう トキワシノブ 葉裏 害虫 病気
※マイクロスコープで観察した胞子嚢